• HIROYUKI TOMURA

ミクロネシア連邦チューク州の海底に眠る二式水戦(二式水上戦闘機)

先月末から今月中旬まで取材に訪れていたチュークの海で、恐らくは世界で初めてであろう動画を撮影する事に成功致しました。 こちらがその動画になります。


2015年6月、地元民の作業中、ミクロネシア・チューク州、モエン島の近くの海底29mで、正体不明の航空機が見つかった。 これは現地の作業員が、偶然発見したもので、その機体の正体が分からずそれから約半年ほど放置状態となっていた。 かつてトラック諸島と呼ばれたこの場所は、日本海軍の一大拠点が築かれていたが、1944年2月17日~18日になされた米軍による航空攻撃(トラック島空襲・海軍丁事件)により多くの艦船、航空機を失いその能力は無効化。現在は、その際に沈められた船などを潜るレックダイビングの世界的に有名なポイントとして、沈船だけでも30隻以上、その中には横浜に係留してある氷川丸の姉妹船である「平安丸」(特設潜水母艦)といった船や映画「タイタニック」での撮影に使われたという「富士川丸」、駆逐艦「文月」。伊169号潜水艦。航空機では他に零戦をはじめ艦上攻撃機・天山、一式陸上攻撃機(一式陸攻)二式飛行艇(二式大艇)なども海中で見ることができる。 今回見つかったこのポイントは私有地のために許可なく潜水することも出来ない場所で、2015年12月、情報を頂いた現地ダイビングショップ「トレジャーズ」の協力得て、許可を頂き撮影調査を敢行。自身が連載を持つミリタリー専門雑誌、月刊「丸」編集部に鑑定を依頼し、この航空機が日本海軍の水上戦闘機「二式水上戦闘機」(中島飛行機製)であることが確認されました。

略符号はA6M2-N。連合国コードネーム「Rufe」

元々は零式艦上戦闘機11型をベースに仮称一号水戦として試作されたもので基本設計は零戦と同じだが、水上機とするために胴体の補強、腐食対策が施されている。量産された機体は、戦線拡大により太平洋各地に展開した海軍航空隊に配備された。総生産機数は327機、終戦時には24機が残存していたそうだが、これらの機体は戦後処分されて現存する機体はない。よって、今回海底で見つかった機体は大変貴重なもの。 かつて、このトラック諸島の島々には和名が付けられており、その中でも夏島と呼ばれていた島には水上機基地が整備され、第九〇二海軍航空隊が哨戒などに従事していた。昭和18年(1943年) 10月に第八〇二海軍航空隊より二式水上戦闘機隊が移譲され、約10機程の水戦が配備されたという記録が残っている。もしかしたら今回見つかったのはその中の1機かもしれない。 水深29mと比較的浅いところで見つかったこの二式水戦は、通常のファンダイブで見られる水深にはあるものの、先述の通り、土地所有者の許可が必要となる為にまだ一般のダイバーが潜れる見込みは立っていないとのこと。

しかし、今後の交渉次第によっては、この二式水戦を実際に見られるチャンスが訪れるかもしれない。もし興味のある方は、現地ダイブサービス「トレジャーズ」まで問い合わせてみていただきたい