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帝京大学・本栖湖「海底遺跡」調査

本栖湖には「海底遺跡」がある。


 富士山麓、河口湖・山中湖・西湖・精進湖・本栖湖とある「富士五湖」の中で最も深いその湖(水深約121.6m)は、関東圏のダイバーであれば「高所潜水(本栖湖の標高は900m)」や「淡水ダイビング」といった触れ込みで潜った経験のある人もいるかもしれない。その本栖湖で旧上九一色村(現・甲府市、富士河口湖町)による遺跡分布確認調査により、古墳時代や縄文時代の遺物が引き上げらたのが約30年前。


それ以降ほとんど調査が行われていない。


あれ?古墳時代って何年前だっけ?なんて紐解いていくと、今から約1500年前。縄文時代に至っては文献により差異があるものの、「草創期(1万7000年前)から晩期(2400年前)まで6つに区分される」だそうで、中学校や高校の歴史の授業を思い出す以外になかなか日常において考えを巡らすような時代ではない。それでも私の記憶の片隅には「土器」であったり、「前方後円墳」や「埴輪」といった遺跡や遺物の載る教科書をワクワクしながら読んでいたのを思い出すものである。


前置きが長くなったが、今回、 帝京大学文化財研究所の佐々木ランディ准教授のお誘いで、その本栖湖の調査にお邪魔させていただいた。佐々木准教授は日本における水中考古学者の第一人者で、帝京大学は一応、私の母校でもある。潜ることのない陸上からの見学となった今回だが、佐々木准教授を中心に本格調査が始まったことから今後、どのような形で遺跡が発掘されていくのかその経過を見守りたいと思っている。


帝京大・佐々木准教授(一番奥)
帝京大・佐々木准教授(一番奥)


また、協力企業として「ウェンディネットワーク」が参加している。こちらの企業は戦争遺構に対してかなり前向きであり、下田の「海龍」、若狭湾や五島列島の「呂号・伊号潜水艦」、十和田湖や奄美の日本軍機を発見など多くの成果を挙げていることで知られている。


海底地形を表すソナーを搭載した装置
海底地形を表すソナーを搭載した装置

「戦争遺産を撮っていたら、いつの間にか古墳時代の話になっていた。けど、やっぱり戦争遺産にも繋がっていた。」


海洋文化遺産という括りで目まぐるしく変わる私の水中環境へのアプローチではあるが、


「水中で出会う歴史はロマンに溢れている」


けど、


「遺跡に過去を、生物に未来を」


そんな想いを巡らす戸村は、そろそろ生物たちとの出会いもと心から願い始めている。


調査の様子はNHK甲府(首都圏NEWS WEB)で詳しく見られます。




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