今月号の月刊「丸」海底のレクイエム16としてご紹介するのは2機のパラオの海底に眠る零式艦上戦闘機。ゼロ戦という名で皆さんもご存知かとは思いますが、本誌で紹介されている写真とは別カット、半水面で撮影された機体が「二一型」そして裏返っている状態で撮影されているのは「五二型」となります。 特に二一型の方はパラオのダイビングポイントの冊子には「三菱製」と記載されていることが多いようですが、いつも本誌にて詳しい解説を頂いている戦史研究家の小高正稔氏によると、スピナー(プロペラの先の部分)が初期型より長い後期型で、三菱で生産終了後、ライセンス生産で昭和19年まで生産されていた中島製のゼロ戦だろうというご意見を頂きました。こうして長い年月を経った今になって、新しい見解を得ることが出来るということは大変興味深く感じます。
また裏返ってしまっている五二型に関して、こちらは現地でのお話で、本誌でも少し触れられていますが、機体がアメリカの博物館へ移送目的で引き揚げられる途中、パラオの固有財産という事で移送は中止すべきという意見があがり、作業は中止。引上げケーブルを切って再度沈めたそうで、その際に裏返しになって着底、今の状態となったとのこと。こちらもあまり他では見る事のないお話で、大変興味深く聞かせて頂きました。
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