
台風が発生していたのでちゃんと到着できるのか心配だったが(現在、日本に向かっているようですが…)何とか定刻通りに経由地であるグアムを発ち、チュークに到着することが出来た。 このチューク(旧名トラック諸島)はかつて第二次世界大戦中に日本軍の基地があった場所である。昭和19年、そのトラックの基地が、ヘイルストーン作戦(トラック島空襲)と言われるアメリカ機動部隊の攻撃で、何十もの艦船が撃沈され、基地としては無力化された。現在、その撃沈された艦船が世界屈指のレックダイビングのポイントとして開拓されていて、僕は毎年訪れている。
DAY1-1 「平安丸」 なぜだろう? チュークで一番好きな沈船は?と聞かれて、僕は平安丸と答える。 氷川丸級の3番船として(横浜で展示されている氷川丸がそれである。)昭和5年に竣工し、シアトル航路に従事。日米関係の悪化から、昭和16年にシアトルから日本に戻り、同年海軍に徴用され特設潜水母艦となった。特設潜水母艦とは文字通り、潜水艦の母艦であり、食糧や衣服の補給のため糧食庫、冷蔵庫、被服需品庫などが設けられ真水、重油の補給を行った。武器、弾薬の補給も出来、潜水艦の最大の武器である魚雷ついても魚雷格納所と魚雷調整所が設置された。この「平安丸」の場合、魚雷150本格納、39本が同時調整可能で、その他工作設備として機械、木工、鋳物、電気の各工場が設置されていたそうだ。 他にも様々な特徴のある船が多い中で、僕がこの船を一番好きな理由はいまいち良く分かっていない。けど、なぜかこの船を潜ると不思議と落ち着く気持ちになれる。 今回は、一番最初にこの船を選ばせてもらって「ただいま」と言わせてもらった。
船首からエントリー。
完全に横たわるような形で眠っている平安丸。船首には「平安丸 HEIAN MARU」と写真で見てもらえるとわかるような形で記載されている。
沈船ポイント 特設潜水母艦「平安丸」 総トン数11,382トン 全長163.3メートル